腰部脊柱管狭窄症

腰部脊柱管狭窄症とは

腰部脊柱管狭窄症背骨の骨の中心には脊柱管というトンネル状の空間があって、脳から延びた太い神経の束である脊髄が通っています。脊髄のお腹側には背骨同士のクッションになる椎間板があって、背中側には黄色靭帯があります。
加齢などによって椎間板の水分が抜け、柔軟性を失うと椎間板は脊髄の方に飛び出してきます。また黄色靭帯も加齢によって硬化して肥厚することがあり、脊髄を圧迫するようになります。こうしたいくつかの原因によって脊髄が通る脊柱管のスペースが狭くなる狭窄を起こした状態が、腰部脊柱管狭窄症です。
起こる症状によって腰部脊柱管狭窄症は2つのタイプに大きく分けられます。両足のしびれによって長時間の歩行が困難になるタイプ、そして片足に痛みを生じるタイプです。神経への圧迫が強い場合、一般的な薬物療法では十分な改善効果を得られないことが多くなっています。効果的な痛みの解消には、神経ブロックによる治療が有効です。

よくある症状

  • 10分程度歩くと、おしりから大腿にかけて痛みやしびれを起こす
  • 少し歩くと痛みで歩けなくなるが、少し休むとまた歩けるようになる
  • 数分立っているだけで、おしりに痛みが起こる
  • イスに座っていると半時間程度でおしりに痛みが起こる
  • 腰や下肢の痛みがマッサージなどでは改善しない
  • 歩くと腰が痛くなるが、自転車は長時間乗っていても痛みを起こさない

腰下肢痛について

腰下肢痛腰椎疾患は、腰の部分に原因がありますが、腰以外に、おしり、大腿、ふくらはぎなどの下肢にも痛みやしびれを起こします。そこで、腰から下の広い範囲に起こる痛みを腰下肢痛と呼びます。
代表的な症状には、おしり・大腿・ふくらはぎの痛みやしびれ、そして間欠跛行があります。間欠跛行は、しばらく歩くと腰痛・おしりから大腿の痛みが起こって歩けなくなり、少し休むと再び歩けるようになる症状です。
こうした痛みは神経痛によって起こっているため、マッサージなどでは改善効果を得られません。マッサージは筋肉の痛みを改善するためには役立ちますが、神経の痛みには改善できないのです。こうした症状があっても数ヶ月で自然に治癒するケースも存在しますが、悪化して症状が重くなってしまい、歩行が困難になってしまうこともあります。痛みが強い場合、通常の薬物療法や湿布薬などでは改善が見込めないことが多いのですが、そうした場合にも神経ブロックによる治療で改善できるケースが多くなっています。

治療

整形外科などで一般的に行われるのは、安静、消炎鎮痛薬やビタミンB12製剤、湿布薬などによる治療で、症状が重い場合には手術を検討します。
ペインクリニックでは、腰部脊柱管狭窄症の症状を効果的に解消する神経ブロックによる治療が可能です。当院では、硬膜外ブロック、神経根ブロックから、症状や状態に合わせた手法を選択して行っています。痛みを起こしている場所に直接薬剤を届けるため、腰痛やみ間欠跛行、坐骨神経痛、炎症を効果的に解消できます。また、痛みの刺激を受けた神経は興奮して過敏になって余計に痛みを感じやすくなりますが、神経ブロックで神経の興奮が落ち着くため、痛みを繰り返す循環を遮断する効果も期待できます。
当院では細い注射針を使用して治療中の痛みも最小限に抑える治療を行っています。また、X線透視下・超音波ガイド下での神経ブロックなど、安全性や確実性の高い治療を行っています。

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TEL:048-650-1717