硬膜外ブロック

硬膜外ブロックとは

硬膜外ブロックとはペインクリニックを代表する手技のひとつです。痛み止め効果が高く、注射の際の痛みもほとんどないことが大きな特徴になっています。特に、整形外科でよく行われている仙骨ブロックと比較した場合、硬膜外ブロックは治療時の痛みが少なく、痛みの解消効果も得やすい傾向があります。
硬膜外ブロックには手探りで行う手法もありますが、当院では必要な場合には安全性と確実性を高めるCアーム透視下の神経ブロック注射を主に行っています。X線透視(レントゲン)により針先を確認して治療できますので、最短距離でスピーディに目的の場所へアプローチできます。
なお、血液をサラサラにするワーファリンやバイアスピリンを服用されている場合、硬膜外ブロック治療ができません。その場合には、別の治療法をご提案しています。

硬膜外ブロックで解消が期待できる症状や疾患

腰・膝・足の痛み、帯状疱疹・帯状疱疹後神経痛による痛み、血流障害などに有効です。

硬膜外ブロックと他の神経ブロックの違い

神経ブロック注射には、トリガーポイント、仙骨ブロック、硬膜外ブロック、仙腸関節ブロック、腰神経叢ブロック、神経根ブロックがあります。注射の深さはトリガーポイントが最も浅い約1㎝、神経根ブロックが最も深い約8㎝で、硬膜外ブロックは中間の約4cmです。痛みが少ないとされているのは、中間の深さの硬膜外ブロックと2番目に深い腰神経叢ブロックですから、注射の深さと痛みは関係していません。トリガーポイントと仙骨ブロックは透視下でなくても行えますが、硬膜外ブロックは透視下で行うことが望ましいケースが多く、仙腸関節ブロック、腰神経叢ブロック、神経根ブロックは透視下で行うことが必須とされています。
費用に関しては、種類、薬液の内容や量、治療範囲などによって大きく変わってきます。3割負担で数百円から数千円という程度が目安であり、それに初診料や検査料金が別途必要です。治療前に必ず内容や費用をご説明しますので、安心していらしてください。

硬膜外ブロックの2種類の手法

手探りで行う手法

医師が指先の感覚を頼りに行う治療法です。横向きで膝を抱えて丸くなった状態で治療を受けます。

X線透視下で行う手法

X線透視下で行う手法Cアーム透視下で行うため、画像で組織を確認しながら針を目的の場所にアプローチできます。正確でスピーディな注射が可能になります。うつぶせの姿勢で治療を受けます。

ペインクリニックでも硬膜外ブロックを手探りで行っていることがまだ多いのですが、当院では必要と判断される場合にはCアーム透視下の治療を行っています。

透視下硬膜外ブロック注射のメリット

治療時間を短縮できます

針先の場所を画像としてリアルタイムに確認できるため、目標まで最短距離でスピーディにアプローチできます。治療時間が短くなることで、患者様のお身体への負担も軽減できます。

正確な注射が困難なケースにもしっかり対応できます

肥満や骨の変形、背中を丸められないなど、手探りの手法では正確な注射が難しいケースでも、しっかり確認できるため正確な治療が可能になります。

効果をより高めるために補助的な注射の追加も可能です

透視下ですから、仙腸関節ブロックなどを同時に行って効果を高めることができます。

硬膜外ブロックの流れ

手探りの手法と透視下の手法です。

手探りの手法

① 準備

準備血圧を測定して、処置室に入ります。

② 処置室

処置室ベッドに横になって壁の方に向き、膝を曲げて腕で抱え、エビのように背中を丸めます。

③ 神経ブロック

注射する部分だけ衣類をめくっていただきます。消毒をしたら手技のみで硬膜外ブロックを行います。所要時間は3分程度です。

④ 安静

安静ストレッチャーのままリカバリールームに移動して、そこで30分程度お休みいただきます。途中何度か、看護師が血圧を測るなど経過観察にうかがいます。

⑤ 確認

安静時間が過ぎたら、立って足踏みをしていただき、足の重だるさや脱力感が解消されたかを確認します。解消していなかった場合には、追加でもうしばらく安静に過ごします。

⑥ 効果判定

効果判定医師が様子を確認し、お話をうかがいながら治療効果を判定します。今後の治療方針をご相談して、ご帰宅となります。

X線透視下の手法

① 準備

準備血圧を測定して、レントゲン室に入ります。

② 処置室

処置室レントゲン台にうつぶせになり、注射を行う腰の部分の衣類をめくっていただきます。

③ 神経ブロック

神経ブロック消毒をしたら画像で針先を確認しながら硬膜外ブロックを行います。所要時間は1~2分程度です。

④ 安静

安静ストレッチャーのままリカバリールームに移動して、そこで30分程度お休みいただきます。途中何度か、看護師が血圧を測るなど経過観察にうかがいます。

⑤ 確認

安静時間が過ぎたら、立って足踏みをしていただき、足の重だるさや脱力感が解消されたかを確認します。解消していなかった場合には、追加でもうしばらく安静に過ごします。

⑥ 効果判定

効果判定医師が様子を確認し、お話をうかがいながら治療効果を判定します。今後の治療方針をご相談して、ご帰宅となります。

硬膜外ブロック治療ができない方

血液をサラサラにするワーファリンやバイアスピリンなどお薬を服用されていると硬膜外ブロックはできません。その場合には、可能な他の治療法をご提案しています。

ご注意ください

当日は激しい運動を行わないでください。
感染を防ぐために、入浴・シャワーは、翌日以降にしてください。
注射の回数に制限はありませんが、通常は1週間に1回のペースで行うケースが多くなっています。

TOPへ戻る
TEL:048-650-1717