帯状疱疹(急性期: 発症から4ヶ月くらいまで)

帯状疱疹とは

帯状疱疹子どもの頃にかかった水ぼうそうのウイルスが神経の中に長い年月潜伏していて、免疫力が下がった時に活動を再開して症状を起こしている状態です。50~70歳代の発症が多いのですが、近年若い世代の発症も増えてきています。
帯状疱疹の主な症状は、ウイルスが潜伏していた神経に沿って現れる帯状の水疱です。この症状が長く続くと神経にダメージが積み重なって強い痛みを起こします。そして、この強い痛みは水疱が治ってからも長く続くことがあります。水疱が治ってからも続く強い痛みは帯状疱疹後神経痛と呼ばれ、数ヶ月から数年続くこともあります。しかも、帯状疱疹後神経痛の痛みは一般的な鎮痛剤などによる解消が困難です。帯状疱疹を発症した場合には、できるだけ早く適切な神経ブロック治療を受けて神経へダメージが蓄積されないようにすることで、帯状疱疹後神経痛の発症を効果的に防ぐことができます。帯状疱疹の症状が現れたら、高度な神経ブロック治療が可能なペインクリニック受診をおすすめします。

帯状疱疹の症状と治療

急性期

帯状に水疱が現れた時期です。最初は皮膚症状だけですから皮膚疾患だと誤解されることが多いのですが、帯状疱疹のウイルスは皮膚だけでなく神経にも深刻なダメージを与えます。痛みがまだ起こっていない状態でも、できるだけ早く受診して抗ウイルス薬などの治療を開始しましょう。痛みがある場合にはすぐにペインクリニックを受診して、適切な神経ブロックで痛みを解消して、将来の帯状疱疹後神経痛発症による長期間続く強い痛みを起こさないようにすることが重要です。帯状疱疹による痛みは神経痛ですから、神経ブロック以外で解消することは難しく、痛みで神経が興奮してしまうと痛みの悪循環を起こして帯状疱疹後神経痛発症を発症しやすくなってしまいます。

帯状疱疹後神経痛

ダメージが蓄積することで神経が破壊されて正常な働きができなくなり、間違った信号を脳に送って本来あるはずではない激しい痛みを慢性的に感じてしまう状態です。炎症などの病変があって痛みを起こしているわけではないため、通常の鎮静剤などによる改善は見込めません。

帯状疱疹とブロック注射

神経ブロック帯状疱疹によって生じた水疱はほとんどの場合、時間経過によって自然に治癒しますが、神経に生じたダメージが神経痛として長く残ってしまう帯状疱疹後神経痛を発症することがあります。強い痛みが長く続くと、帯状疱疹後神経痛発症のリスクが上がってしまうため、痛みの症状があったらできるだけ早くそれを解消できる治療を受けることが重要です。一般的な鎮痛剤などでは帯状疱疹の痛みの解消が難しいのですが、神経ブロックによる治療は神経の痛みを改善させて、血流を回復させることでダメージの蓄積を抑制できます。

急性期の治療が重要です

帯状疱疹の治療は、発症から4ヶ月程度までの急性期が大きく将来の状態を左右します。帯状疱疹の治療は、消毒や塗り薬といった処置、抗ウイルス剤や痛み止めの服用などが一般的に行われます。ペインクリニックでは効果的に痛みを取り除く治療が可能ですから、帯状疱疹で痛みが少しでもある場合には将来の強い痛みを予防するためにもできるだけ早くペインクリニックを受診してください。

ブロック注射について

帯状疱疹の症状は、全身のあらゆる場所に生じる可能性があります。神経ブロックは、顔を含めた全身の痛みを解消できますので、それぞれの場所や症状、状態に合わせて行うことで効果的な痛みの解消が可能です。
原因疾患に関わらず、同じ神経に起こっている痛みは、同じ内容のブロック注射で改善できます。当院のペインクリニックでは、長年にわたって神経ブロックの治療を行ってきた麻酔科指導医・専門医の院長が、慎重に見極めて治療を行っています。治療にともなう痛みも最小限にとどめるよう数々の配慮と工夫を行い、X線透視下や超音波ガイド下など、正確性や安全性の高い最新の手法も取り入れて精度の高い治療を行っていますので、安心していらしてください。

部位 治療方法
星状神経節ブロック・三叉神経ブロック
首や上肢 星状神経節ブロック頸部硬膜外ブロック
胸や背中 胸部硬膜外ブロック・肋間神経ブロック
下肢 腰部硬膜外ブロック
おしり 仙骨ブロック
TOPへ戻る
TEL:048-650-1717